NAGAI SADAHIRA DESIGN OFFICE

『近代能楽集』三島由紀夫

2014年03月24日 / 読書の断片

 

〈詩人  日が落ちると、影は長くなる。
老婆  影が歪んでくる。まぎれっちまう、宵闇に。

 

『近代能楽集』卒塔婆小町(新潮文庫)

 

 

昔から能の面に惹かれることが多く、しかしなぜ自分が惹かれるのかはよく分からない。面を眺めていると、安堵に似た心持ちとなると同時に、不思議な気持ちとなる。きっと、それはどこかへの入口なのだろう。

 

もし面がどこかへの入口であるならば、「本の面」をつくるところの装丁も一種の触媒行為であるのかもしれない、とふと思う。

『アウトサイダー』コリン・ウィンルソン

2014年03月04日 / 読書の断片

“ランボーは、幻覚を見るように自分をしつけることによって、「工場の代わりに寺院を、天空の道筋に幌馬車を、湖の底に応接間を」見るようになったという”

『アウトサイダー』下

コリン・ウィルソン/中村保男訳 p. 175 河出文庫



現実がいつも正直者とは限らない。もしかするとただの集約値に過ぎないのかもしれない。いま「見えているもの」が、その人にとって最も近しい「現実」なのだろうと思う。

『第七官界彷徨』尾崎翠 

2014年01月27日 / 読書の断片


“そして音楽と臭気とは私に思わせた。第七官というのは、二つ以上の感覚がかさなってよびおこすこの哀感ではないか。そして私は哀感をこめた詩をかいたのである。”

『第七官界彷徨』尾崎翠/p. 38 河出文庫



この小説を最初に読んだのは、確か大学生の頃。
牧野信一とともにある人から勧めてもらった。

写真美術館わきのショップで、河出版を見つけ久しぶりに読んだ。
ほんとうを言うと、以前読んだことを忘れていた。